自衛隊の動き<2019年10月から12月>

『朝雲新聞』より

 

1体制・政策

・宮城地本、即応予備自衛官に志願予定の任期制陸自隊員の「即応予備自企業研修」を実施。宮城県内の即応予備自衛官を採用する企業5社を訪問。(10月8、23、28日)

・陸自東部方面隊、台風19号の災害派遣で医師5人、看護師7人の技能予備自衛官を防衛相の招集命令に基づき受入。(10月23日~11月4日)

・防衛研究所「中国安全保障レポート2020」発行。中央アジア5カ国に焦点を当て、中国の戦略とその特徴を明らかに。(11月8日)

・政府、シナイ半島の停戦監視「多国籍軍・監視団」(MFO)への派遣を1年延長。(11月12日)

・防衛相、日アセアン防衛担当大臣会合、拡大アセアン国防相会談に参加のためバンコク訪問。日米韓三か国防衛相会談も開催。GSOMIA賢明な対応を韓国に要請。(11月17、18日)

・韓国、GSOMIAを条件付きで当面維持する方針を表明、失効回避。(11月22日)

・防衛相、NATOに情報通信幕僚として女性2等空佐を派遣。NATO本部への派遣は3回目。情報通信幕僚としては初めてのこと。(11月25日)

・北朝鮮、弾道ミサイル2発を発射。連続発射技術の向上が狙い。(11月28日)

・日印初の外務、防衛担当閣僚協議(2+2)をニューデリーで開催。共同声明に「物品役務相互提供協定(ACSA)」の早期締結を盛り込む。戦闘機共同訓練を来年実施することで合意。(11月30日)

・国連南スーダンPKOの司令部要員の交代要員として2名が陸幕長に出国報告。一人は兵站幕僚、もう一人は航空幕僚。(12月19日)

・令和2年度予算閣議決定。防衛費は5兆3133億円で前年度当初予算比1.2%増で8年連続の増加。過去最大の規模。空自F2戦闘機の後継機である次期戦闘機の開発に着手。(12月20日)

海自護衛艦1隻とP3C哨戒機2機の中東派遣を閣議決定。シーレーンの安全確保のための情報収集の強化。防衛省設置法第4条の「調査・研究」に基づくもの。参加人員約260人。(12月27日)

 

2訓練・演習

・大分地本、予備自衛官の「5日間招集訓練」に約70人が参加。技能予備自衛官(衛生)の2人も参加。(10月11~15日)

・第29普通科連隊基幹の第39戦闘団が富士訓練センターの戦闘訓練で20年間無敗を誇る同センターの対抗部隊に勝利。(11月4~9日)

・海自掃海艇、日向灘に於いて日米豪の共同訓練を実施。海自は掃海艇13隻等17隻と掃海ヘリ1機、米海軍は掃海艇1隻と掃海ヘリ2機、豪海軍は掃海艇2隻が参加。昨年に続き2回目。(11月18~28日)

・防衛相、来日した豪国防相と会談。空自が来年豪空軍の多国間訓練に初めて参加することを声明で公表。(11月20日)

・防衛大学校卒業留学生交流会、初めて開催。これまで約400人を輩出、内アジア12カ国から約50人が参加。首相、防衛相が歓迎。(11月28、29日)

・陸自第7普通科連隊約450人、沖縄の米海兵隊約300人と国内の演習場で実動訓練。MV22オスプレイも参加。(12月1~13日)

・陸自第15即応機動連隊、共同転地演習として空自防府基地、海自鹿屋基地などを経由して与那国に展開。人員約90人、CH47輸送ヘリ1機が参加。(12月2日~9日)

・陸自、日米共同方面隊指揮所演習を実施。陸自から約5000人が参加。米陸軍、海兵隊から約1600人が参加。オーストラリア、カナダ陸軍からオブザーバーが初参加。米陸軍側指揮官は米陸軍初の女性師団長。(12月3日~16日)

・陸海空自計約550人が、在外邦人等保護措置訓練に参加。輸送機C130、護衛艦「いせ」で退避等を演練。(12月9~14日)

・海自、海賊対処任務を終えた護衛艦「さざなみ」は帰途オマーン・ドゥクム港周辺海域でオマーン海軍艦艇と親善訓練を実施。(12月21日)

 

3武器、装備

・防衛装備庁主催、防衛技術シンポジウム2019を市谷のホテルで開催。テーマは「オープンイノベーション」。民間企業や大学の研究者ら約2400人が来場。13日には防衛相が防衛施設庁長官、防衛技監らを伴い視察。(11月12、13日)

・空幕長、UAEにおける国際会議に出席し、国産輸送機C2が出展されている「ドバイエアショー2019」も視察。(11月15~19日)

・英国防衛装備展(DSEI Japan 2019)、幕張メッセにおいて国外で初開催。国内外150社が出展。防衛相、防衛装備庁長官らも視察。(11月18~20日)

・防衛基盤整備協会賞贈呈式。昭和54年度の第1回から受章総件数219件。今年は三菱重工の機雷探知機など4件。(11月25日)

・防衛省、新小銃として豊和工業製、新拳銃として独ヘッケラー&コッホ社製を発表。(12月6日)

・防衛相、令和元年度、2年度の米国からのF35A戦闘機の購入は、完成機購入ではなく、国内最終組み立て方式とする旨発表。変更理由はコスト軽減。(12月20日)

 

4対外関係

・海幕長、米国アナポリス軍港に停泊中の英海軍空母に於ける日米英海軍種のトップ会談に出席し、共同声明を発表。この種会談は2016年に次いで2回目。(10月16~20日)

・陸自西部方面総監ら訪中団、防衛交流の一環として、地政的に対峙する中国東部戦区司令官らと交流。陸・海・空軍基地を視察。(11月12~15日)

・統幕長、初来日した米統合参謀総長と会談。日米同盟強化で一致。安倍首相、防衛相も表敬訪問。(11月12、13日)  米統合参謀総長は韓国を訪れ、日米韓参謀長級テレビ会談。(11月15日)

・陸自主催「陸軍兵站交流」に米、英、仏、豪、加など25カ国が参加。(11月18~22日)

・防衛相、マナマにおける英国際戦略研究所主催の国際会議に防衛相として初めて出席し、スピーチ。フランス軍事相、バーレーン軍司令官らと会談。海賊対処任務の多国籍部隊司令部も視察。(11月23、24日)

・海幕長、18年振りに来日した露海軍総司令官と会談。日露間の防衛交流に関し意見交換。(11月25日)

・ロシア空軍の爆撃機2機が日本海、東シナ海を往復の長距離飛行。空自F15戦闘機が緊急発進したが、領空侵犯はなし。(11月27日)

・中国海軍ミサイル駆逐艦など4隻が大隅海峡を通過し太平洋に。(11月27日)

・中国艦1隻、対馬海峡を往復。(11月28日) 翌日には中国空軍の情報収集機が対馬海峡上空を往復。空自F2戦闘機が緊急発進したが領空侵犯はなし。(11月29日)

・防衛相、来日したモンゴルの国防相と会談。2国間の防衛協力推進で一致。能力構築支援事業として、今年度中に「大量傷病者受入訓練」を実施することで合意。(12月3日)

・陸幕長、来日したインド陸軍参謀長と会談。共同実動訓練の意義を確認し、継続することで合意。参謀長は陸上総隊司令部等を視察。(12月4~7日)

・統幕長、7年ぶりに来日したフィリピン軍参謀総長と会談。両国の防衛協力をさらに強化することで一致。(12月12日)

・海自、掃海母艦「ぶんご」と掃海艇「たかしま」はインド洋長期巡航訓練の帰途、ベトナム・ダナンに寄港し、ベトナム海軍の「水中不発弾処理」についての能力構築支援を実施。(12月12~15日

・防衛相、カタールで開かれた外交・安全保障に関する国際会議「ドーハ・フォーラム」に防衛相として初参加し、講演。その後ヨルダンを訪問し、国王と面談。8月に無償貸与した「61式戦車」(退役)の展示されている王立戦車博物館を視察。(12月14~15日)

・ロシア海軍のミサイル巡洋艦など3隻が対馬海峡の公海上を北上。10月7日に対馬海峡を南下したのと同じ艦艇群。(12月16日)

・中国海軍ミサイル駆逐艦等4隻太平洋から宮古島海峡を北上し東シナ海へ戻る。11月27日に大隅海峡から太平洋に進出した同一艦艇群。(12月17日)

・防衛相、中国国防相と会談。防衛相としては10年振りの訪中。尖閣周辺の中国公船の活動に強い懸念を表明しつつも、防衛交流の推進、中国国防相の2020年の訪日を目指し調整することで一致。(12月18日)

・防衛相、ジブチ、オマーンを訪問。自衛隊の中東派遣を説明。オマーンへの防衛相訪問は初めて。派遣艦艇の寄港地として検討中。(12月28、29日)

 

5広報活動

・東京地本、東京モーターショーに合わせ、会場近くで自衛隊車輛を展示。(10月26、27日)

・大分地本、日本文理大学の学園祭に自衛隊ブースを設置し軽装甲機動車等を展示。学生ら約600人が来場。静岡地本では浜松啓陽高校の学園祭に、同校出身隊員とともに自衛隊ブースを設置。(11月2日)

・空自、入間基地航空祭、自衛艦採用CMに出演の隊員が広報活動。(11月3日)

・海自、台風19号で中止となった観艦式の準備過程などを編集した「もうひとつの観艦式」をYouTubeの海自公式チャンネルで公開。再生回数は1週間で10万回を突破。(11月18日)

・自衛隊音楽まつり、今年は代々木第1体育館で、米、独、ベトナム軍楽隊がゲスト参加。2日間5公演に約45,000人が来場。(11 月3 0日、12月1日)

 

6募集

・福岡地本、防衛大学校1次試験に全国最多の約3500人が受験。全国の受験者数は1万人超。(11月9、10日)

・沖縄地本、与那国町の中学2校で陸自高等工科学校の受験要領について説明し、志願者宅を訪問。ヘリ体験搭乗も実施。(11月8~10日)

・神奈川地本、一般曹候補生合格者2人と受験予定者1人を百里基地航空祭に招待。(11月30日)

 

7災害派遣

・台風19号関連の災害派遣を修了。東日本12都県で期間中即応予備自衛官、延べ約370人、予備自衛官延べ約50人を含む約79,000人が活動。(10月12日~11月30日)

・空自新田原救援隊のCH60J救難ヘリ、滑落した男性1人の捜索、救難のため災害派遣要請を受け出動。地元消防隊と協力して救助。(12月10日)

・陸自部隊、北海道宗谷での震度5の地震に対し、ヘリ1機等により情報収集を実施。災害派遣要請はなし。(12月12日)

・ジブチに駐在する海賊対処行動支援隊が、初めて「国際緊急援助隊」としてジブチの豪雨・洪水災害派遣活動を実施。排水作業や物資輸送に従事。(11月26日~12月2日)

 

8その他

・米海兵隊富士キャンプの隊員12人が、台風19号の被災地で土砂撤去、土嚢作りなどの災害ボランティア活動を実施。(10月15日)

・陸海空自音楽隊、祝賀御列の儀で演奏。17人が平成についで2度目の参加。(11月11日)

・防衛大学校、学園祭における京大生との安全保障に関する討論に双子の兄弟が防大、京大に分かれて参加。(11月16日)

・平和・安保研主催の公開シンポ開催。テーマは「宇宙安保と日本の役割」日本は宇宙政策で劣勢と指摘、昨年のロケット打ち上げ回数、中国38回、米34回、露19回に対し日本は6回。(11月20日)

・陸自1士、高速バス内で不審者を捕捉し、警察の逮捕に協力。福島警察署長から感謝状。(11月24日)

・防衛相のツイッター、フォロワーは120万人。(12月現在)

 

2019年の自衛隊の主な動き

 

〇「インド太平洋」ネットワーク

  • 日印初の外務、防衛担当閣僚協議(2+2)をニューデリーで開催。共同声明に「物品役務相互提供協定(ACSA)」の早期締結を盛り込む。
  • 北朝鮮「瀬取り」監視に、豪、英、仏、NZ、カナダも参加。
  • 共同訓練参加のため豪空軍戦闘機初来日
  • 空自小松基地をインド空軍戦闘機パイロットら3人が訪問
  • 護衛艦「いずも」等、2018年に引き続き「インド太平洋方面派遣訓練」実施
  • 掃海母艦、掃海艇 インド洋までの長期巡航訓練
  • 2国間、多国間共同訓練活発化 日豪、日印、日加、日米印、日米比、日仏米豪、日米印比等々。
  • スリランカと「防衛協力・交流の覚書」を初めて締結。
  • アデン湾でインド海軍艦艇と海賊対処共同訓練を実施。
  • UH1H多用途ヘリ用のエンジンやブレードなどの廃物品をフィリピン空軍に無償譲渡
  • 日加次官級「2+2」開催。ACSA物品役務相互提供協定の早期発効を確認

 

〇「平和・安全」法制の具体化

・シナイ半島の停戦監視活動を行う「多国籍軍・監視団」(MFO)の司令部への陸自隊員の派遣

・米軍等に対する「武器等防護」の2018年実施件数が16件だったことを公表。2017年は2件。

・中東への海自護衛艦とP3C哨戒機の中東派遣を閣議決定により実施。名目は防衛省設置法第4条の「調査・研究」

 

〇防衛装備品(武器等)、技術協力

・イスラエル国防省と「防衛装備・技術に関する秘密情報保護の覚書」を締結。

・米政府、F35電子機器の整備拠点を日本にも設置することを発表。

・F2戦闘機搭載用空対艦誘導弾の長射程化を表明。昨年末に策定された中期防を受けての措置。

・F35A戦闘機の墜落事故

・国産輸送機C2、「ドバイエアショー2019」に出展

 

〇「宇宙・サイバー」

・空自、米軍主催の宇宙状況監視多国間訓練に参加。

・3自衛隊共通「サイバー教育共通課程」今年から高度化

・陸自にサイバー防護隊(仮称)や電子戦部隊、空自に宇宙作戦隊(仮称)の新編を来年度予算に計上。

・陸自、米陸軍と日米共同サイバー競技会「サイバーサンダー」を市谷で開催。

・日米安全保障協議委員会を開催。サイバー攻撃に安保条約第5条を適用することを初めて確認。

・エストニアにあるNATOサイバー防衛センターに防衛研究所主任研究員を初めて派遣。

・「多次元統合防衛力構築委員会」の初会合を開催。

 

〇自衛官の募集、待遇

・今年度から入隊年齢上限を26歳から32歳へ引き上げ。

・今年度から自衛官の定年引上げ。1佐から3曹まで1才ずつの引き上げ

・自衛官の初任給を引き上げるための防衛省職員給与法改正案が可決・成立。

 

〇 女性自衛官の活用

・初の女性イージス艦艦長就任

・初の女性戦闘機操縦士配属

・潜水艦の女性勤務対応のため平成31年度予算計上

・初の女性防衛駐在官が在マレーシア日本大使館に着任

・陸自板妻駐屯地、宿舎の改修。女性隊員の収容規模の2倍化。

 

〇 災害派遣

・九州北部大雨、台風15号、17号、19号に対し大規模な災害派遣出動

・豚コレラ、山林火災、行方不明者捜索の災害派遣多数。

・震度5弱以上の地震による情報収集、年間5件。

・ジブチ駐在の海賊対処行動支援隊、「国際緊急援助隊」としてジブチの豪雨・洪水災害派遣活動を実施。

 

〇南西諸島

・奄美大島と宮古島に駐屯地を開設。宮古島には空自分屯基地も

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